仮想通貨の知恵袋

ステーブルコイン(stable coin)とは?

ステーブルコインとは?

ステーブル(stable)とは「安定した」「変動のない」という意味です。
つまりステーブルコインとは、価格変動が安定している仮想通貨のことを言います。
ステーブルコインには、米ドルと連動するタイプなど数種類あります。

 

ステーブルコインが誕生した理由

ボラティリティが高い仮想通貨

仮想通貨はよく「ボラティリティが高い」と表現されますが、つまり価格変動が激しいということを意味します。
1日で20%近く価格変動することは、珍しいことではありません。

ICOにより誕生したコインなどでは、100倍になることもあれば100分の1にもなることもあり、極めてボラティリティが高いと言えます。

決済手段としての仮想通貨

数年前と比べ、ビットコインなどの仮想通貨で支払いができるお店やサービスは随分と増えて来ましたが、まだまだ普及したとは言えません。

お店は商品が売れればその代金を元手に人件費や光熱費などの経費を支払い、販売するための商品の仕入れを行います。
お店にとって、数日後には半分の価値になっているかも知れない仮想通貨で代金を受け取るということは、大変なリスクを伴います。
代金として受け取った仮想通貨を、即日取引所を通して日本円で受け取ることもできますが、そこに手数料の負担がかかります。

また、消費者にとっても同じことが言えます。
現在、仮想通貨を決済目的ではなく、投資目的で購入・保有している人が多いと思います。
つまり価格が上がると見込んで購入したわけですから、わざわざ決済に使おうと考える人は少ないでしょう。

決済や送金、また預金において、価格が安定していることは非常に重要な要素となります。

決済手段として利用しやすいステーブルコイン

ボラティリティが高いことが、まだまだ実社会での決済や送金に使われにくい理由の一つとなっているということは、上記した通りです。

そこで、誕生したのがステーブルコインです。
価格が一定に保たれることによって、決済や送金に使いやすい仮想通貨となっています。
ステーブルコインは、本来の仮想通貨の役割を担っていると言えるかも知れません。
ステーブルコインへの理解や信用が広がれば、決済手段として普及する可能性があるでしょう。

 

ペッグ制

ステーブルコインは、法定通貨などにペッグしているのが特徴です。
ペッグとは、通貨の為替レートを特定の通貨に連動させて一定に保つ制度のことを言います。

例えば、ある仮想通貨を米ドルにペッグする場合
1コイン=1USD
に保つことを意味します。

ペッグ制は米ドルとは限らず、イーサリアムや金などにペッグしているステーブルコインもあります。

 

ステーブルコインの種類

法定通貨担保型

米ドルや日本円など、法定通貨を担保としているステーブルコインです。
主なものとして、以下のものがあります。

Tether(USDT)

Tether社が発行するステーブルコインで、多くの取引所で取り扱いされています。
同社は1対1の割合で米ドルを保有することで、米ドルとペッグしています。
現在最も有名で取引量の多いステーブルコインです。

「Tether社は、本当に1対1の割合で米ドルを保有しているのか?」
「Tether社が意図的にビットコインの価格を吊り上げた」
などの疑いを向けられた経緯があり、安全であるとは言い切れないところがあります。
短期な利用にはお勧めできますが、長期保有にはリスクがあることを覚えておいたほうが良いでしょう。

Tetherは主に、BitmaxCoinBeneBinanceなどで取引されています。

TrueUSD(TUSD)

TrueUSDはイーサリアムベースのERC20トークンで、Tetherと同様に米ドルにペッグしたステーブルコインです。
資産は信託銀行に保管されており、運営元は資産のアクセス権を持たないという特徴があります。
また、TrueUSDが1対1の割合で米ドルを保有していることを証明する会社が複数社あり、Tetherよりも信用度が高いと言われています。
そのためTrueUSDは今後、現在取引量の一番多いTetherに取って代わるのではないかと期待を集めています。

TrueUSDは主に、CoinbitBinanceなどで取引されています。

LCNEM

株式会社LCNEMが発行している、NEMブロックチェーンを活用したステーブルコインです。
日本円とペッグしています。

同社が提供するLCNEMウォレット上で、クレジットカードにて購入できます。

仮想通貨担保型

ビットコインやイーサリアムなど、主要な仮想通貨を担保としているステーブルコインです。

DAI

DAIは、MakerDAOが発行するステーブルコインで、イーサリアムを担保としています。
イーサリアムを担保としてロックし、それと引き換えにDAIは発行されます。
価格は米ドルとペッグしており、1DAI=1USDとなっています。

DAIは主に、FatbtcHitBTCなどで取引されています。

無担保型

Basis・Saga・Reserveなどがあります。
Basisは名だたる投資家が資金を注入していましたが、2018年12月14日に閉鎖が発表されました。

 

ステーブルコインのメリット・デメリット

メリット

法定通貨の代替機能

法定通貨での海外送金はご存知の通り、数日間の時間と数千円の高い手数料が必要となります。
ビットコインであればインターネットさえ繋がっていれば、どこへでもすぐに送金する事が可能ですが、やはりボラティリティの問題があります。
価格変動の安定したステーブルコインであれば、送金の利便性が高い仮想通貨のメリットに加え、ボラティリティの問題も解消されるため、法定通貨の代替機能を十分に果たす事ができます。

一時利確先としての利用

ビットコインやイーサリアムなど主要なコインは、日本の取引所で取り扱いがありますが、それ以外のコインを購入・保有しようとすると、海外の取引所を利用することになります。
ボラティリティの高い仮想通貨への投資では、利確(利益確定売り)するタイミングは非常に大切です。
しかし投資・保有しているコインが値上がりし、利確しようとした場合、海外の取引所では日本円に交換する事が出来ません。
そこで価格の安定したステーブルコインを、一時利確先として利用すると便利です。

為替取引として利用

為替利益を得る目的で米ドルを購入しようとすると、手間がかかります。
そこで、米ドルとペッグしているTetherなどを保有することによって、為替取引を仮想通貨を介して間接的に行う事が出来ます。

デメリット

投資対象にならない

価格が安定しているため、言うまでもなく投資対象にはなりません。

中央集権である

ビットコインなどの仮想通貨は非中央集権、つまり運営元が存在しないという特徴があります。
しかしステーブルコインには発行運営元があり、発行運営元が破綻してしまい、担保しているはずの米ドルなどが1対1の割合で保有されていなかった場合には、そのステーブルコインの価値も破綻してしまう可能性があります。
要するに、発行運営元に信用があるかが重要です。
ステーブルコインは決済や送金には大変便利ですが、預金としてはリスクがあると認識すべきでしょう。
短期的な利用に向いており、長期的保有には向いていないと言えます。

 

ステーブルコインの特徴や役割をよく理解して、利用する事が大切です。